身体障害者手帳はとるべき?装具ユーザーが知っておきたいメリットと注意点

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こんにちは、生活期専門の補装具製作所「装具ラボSTEPs」代表 義肢装具士の三浦です。

装具を使って生活している人の中には、身体障害者手帳を持っていない方も多いです。

「入院していた病院で特に説明がなかった」「取得の手続きが大変そう」「取得するメリットがわからない」という声を、よく聞きます。

しかし装具ユーザーにとっては、手帳を持っていることで装具の修理や再作製が、スムーズに進むケースが多くあります。

この記事では、身体障害者手帳に関する制度の仕組みや、メリット、介護保険との関係についてわかりやすく説明していきます。

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身体障害者手帳とは?

身体障害者手帳とは、日常生活や社会参加において支援が必要な人が、その必要性を示すための証明書のようなものです。

障害者手帳を持つことで、公共交通機関の割引や、税制上の優遇などさまざまな支援を受けられます。

手帳の分類

身体障害者手帳は、障害の部位や内容によっていくつかの分類に分けられます。

身体障害者手帳の障害分類

  1. 視覚障害
    見えにくい、または視力・視野が大きく制限されている状態
    ポイント】脳卒中における半側空間無視は、視野が正常なので該当しない

  2. 聴覚障害
    聞こえにくい、または音を全く感知できない状態

  3. 平衡機能へいこうきのう障害
    手足や体幹には機能障害がないが、まっすぐに歩けない、ふらつくなどの状態

  4. 音声・言語・そしゃく機能障害
    声を出すのが難しかったり、明瞭に喋られない。または食べ物を噛む・飲み込む動作が難しい状態。
    【ポイント】脳卒中における失語症はこれに該当することがある

  5. 上肢機能障害
    腕や手が動かしにくい、持つ、握る、操作する動作ができない状態。
    【ポイント】上肢装具や義手を使っている人は、これに該当する

  6. 下肢機能障害
    足が動かしにくい、歩行が困難な状態。
    【ポイント】下肢装具や義足を使っている人は、これに該当する

  7. 体幹機能障害
    身体のバランスを保つことが難しい、姿勢を保てないなどの状態。
    【ポイント】脊髄損傷や脳性麻痺などが該当することが多い

5~7の「上肢機能障害」「下肢機能障害」「体幹機能障害」をまとめた総称が肢体不自由したいふじゆうと呼ばれ、装具ユーザーに関係が深い障害区分になります。

等級による違い

手帳で受けられる支援は、等級によって異なる部分があるので、次に等級について確認していきます。

身体障害者手帳には等級があり、障害の程度によって1級から6級までに分類されます。

障害等級の7級とは

正確には7級という等級が存在するが、7級は「単体では手帳の対象にならない軽度な障害」を意味します。ただし、7級の障害が2つ以上あると、合わせて6級相当として手帳の対象となることがあります。これを「併合認定」と呼びます。

この分類は「どの部位が」「どの程度使えないか」で決まるので、同じ右手・右足の麻痺でも等級が変わってくることがあります。

また、この障害等級は「補装具を使っていない素の状態」で評価されます。例えば、最新の義足を使っていて、日常動作にほとんど支障がいない場合でも、義足がない状態で歩行が可能かどうかで評価をします。

【具体的な等級の例】右片麻痺(右手・右足が使いにくい)場合の等級目安

右片麻痺の場合「上肢機能障害」「下肢機能障害」の両方に該当します。それぞれの障害の程度を見て「重複障害」として判定されることがあります。

・右手がほとんど使えない→上肢3級相当
・右足の障害で歩くのが難しい→下肢4級相当

⇒「上肢3級」「下肢4級」の重複障害なので、全体で肢体不自由2級になる。

上記は一例で、実際の等級は「医師の診断書にどう書かれるか」で変わってきます。そのため、申請前に身体障害者福祉法15条指定医(15条指定医)に相談し「等級の見込み」を確認しておくのが確実です。

※15条指定医に関してはお住いの市役所・区役所の障害福祉担当課に問い合わせると「地域の15条指定医リスト」が確認できます。

手帳を取得するメリット

一般的なメリット

手帳を取得することによるメリットは、等級によっても異なります。

以下に、手帳があることで受けられるサービスと等級による違いをまとめました。補装具に関するメリットに関しては、次の項目でまとめてご紹介します。

障害者手帳があることで受けられるサービス

  • 税金の控除(所得税・住民税)
    税金の控除は全ての等級で受けられるが、等級が軽度(5~6級)より中度(3~4級)さらに重度(1~2級)の方が控除額が大きい。
    ただし、定年退職後の非課税世帯ではそもそも税金が控除されているので、障害者控除のメリットは、ほぼ発生しない。

  • 公共交通機関の割引
    自治体・交通会社で異なるが「1~2級(重度)の場合は本人+介護者も割引」「3級以下は本人のみ割引」といったケースが多い。
    また、タクシーに関してはタクシー会社の自主的な割引制度になるので、全国共通のルールはない。地域差はあるが手帳を提示することで割引を受けられることがある。

  • 自動車税・自動車取得税の減免
    自治体によって異なるが、1~3級あたりが減免対象となることが多い。

  • その他の福祉サービス
    タクシー券の給付や、重度訪問看護サービス、在宅サービス(訪問リハビリ・訪問介護・訪問看護・配食・移動支援サービス等)など自治体によってさまざまなサービスがあるが、重度に限定されたサービスも多い。

  • 医療費の助成
    これも自治体によって異なるが、障害等級によって病院で支払う窓口負担が助成されることがある。

以上のように、障害者手帳によって受けられるほとんどのサービスは各自治体や地域によって異なります。

そのため、サービス内容はお住いの市役所・区役所の障害福祉担当課に確認するのが良いでしょう

補装具に関するメリット

補装具(装具・義肢・車椅子・歩行器・その他福祉用具)は障害等級によらず、作製・修理の給付申請が可能です。

身体障害者手帳で給付申請することで、補装具の作製・修理に関わる自己負担額は原則1割負担(住民税非課税世帯は自己負担なし)です。

また、1割負担の世帯であっても月額上限金額が37,200円と決められているので、372,000円を超える補装具を作製する場合は、負担額が一定になります。

ただし、本人またはその配偶者のうち市町村民税納税額が46万円以上の高所得世帯の場合には補装具費の支給対象外となります。

令和6年4月から、障害児(18歳未満)の補装具支給制度に関しては、所得制限が撤廃され、全ての障害児について補装具費の支給対象となっています。

ここまでは、全国共通ルールとして定められていますが、それ以降の詳細な申請手続きの流れや、給付対象となる高額パーツやカスタマイズに関しては、自治体によって大きく異なります

詳細な申請手続きに関しては、お住いの役所(福祉担当課)に問い合わせると分かりますが、高額パーツやカスタマイズに関する部分は、正直「申請してみないと分からない」部分ではあります。

装具の作製・修理に関わる補助申請に関してはこちらをご覧ください↓

介護保険との優先順位

購入型の補装具(義肢装具・姿勢保持装置・杖など)は介護保険によるレンタルが出来ないので、身体障害者手帳の補装具費助成制度が優先されます。

一方でレンタル型の補装具(車椅子・歩行器・特殊ベッドなど)は介護保険でのレンタルが優先されます。

ここで、もっとも問題になりやすいのが車椅子です。一般的な標準型の車椅子(介護保険でレンタル可能なもの)で事足りるなら、介護レンタルが優先されます。

介護保険のレンタル対象は「高額で管理・修理が必要な福祉用具」に限られます。そのため、オーダーメイドでの作製が必要な義肢装具や、単価が低く修理や管理が必要ない杖やスロープはレンタル対象外となります。

一方で、介護保険ではレンタルができない特注サイズのものであったり、カスタマイズが必要な場合は、身体障害者手帳での給付対象となります。

どちらの制度を使うかの判断基準も、自治体によって異なる部分があるので、わからない場合は役所の窓口に相談してみましょう。

手帳を取得する注意点

申請から交付まで

身体障害者手帳の申請には15条指定医の診断書(意見書)・顔写真(証明写真)・本人確認証などが必要です。

まずは診断書を指定医で書いてもらって、役所の障害福祉課に必要書類とともに提出します。

その後審査があって、手帳が交付されるのですが、申請から交付まで1~2カ月はかかります。障害の状態が判断しづらい場合はさらに時間がかかる場合もあります。

そのため、生活支援や補装具の給付を受ける予定がある場合は、早めに申請をしておく必要があります。

一方で、障害者手帳は発症後一定期間が経過し、障害が固定した状態で認定を行う必要があります

障害が固定したとみなされる時期は障害の種類によっても異なりますが、脳卒中等による麻痺の場合は6か月程度経ってからが申請の目安とされています。

更新・再認定について

原則として、障害者手帳は更新の必要がありません

しかし、障害の状態に変化が予想される場合には、手帳の交付から一定期間を置いた後、再認定を実施することがあります。

また、病気の進行などで障害が悪化した場合、等級変更手続きを行うことが出来ます。

等級変更の場合も、申請時と同様に指定医の診断書等が必要になり、審査も申請時と同様に時間がかかります。

義肢や装具の給付が受けられるのは、基本的には肢体不自由に関する障害等級がついている場合のみです。

現在の手帳に肢体不自由の記載がないけれど、装具が必要になったような場合は、早めに等級変更の手続きを開始しましょう。


以上が身体障害者手帳に関する説明でした。

身体障害者手帳は、人によっては取得する手間の割に使う機会が少ない、という場合もありますが、装具ユーザーにとってはメリットが大きいです。

手帳には有効期限がないので「いるかもしれない」と思った時点で、取得しておくことをおススメします。

また、自治体ごとに異なるルールや手続きの方法もあるので、詳細を知りたい場合は役所の福祉担当課に相談してみましょう。

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生活期専門補装具製作所「装具ラボSTEPs」は神戸を拠点に活動していますが、今後は全国各地に拠点を作って装具に困っている人をゼロにすることを目指しています。

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