
こんにちは、生活期専門の補装具製作所「装具ラボSTEPs」代表 義肢装具士の三浦です。
治療用装具は医療費なので申請するとお金が一部戻ってくるのですが、その時に必要になるのが「治療用装具製作指示装着証明書」(長いので以下、治療用装具証明書と略します)という書類です。
この記事では、治療用装具証明書とは何かをシンプルに説明したうえで「どこでもらうのか」「どのように書くのか」など、現場目線でわかりやすく解説します。
装具代金に関する補助制度の説明も併せてご覧ください↓
治療用装具の証明書とは?
治療用装具証明書は「医師の指示で装具を作って、実際に装着したこと」を証明する書類です。
健康保険に治療用装具の還付金申請をするときに、領収書とあわせて必要になる書類なので、生活用装具(身体障害者手帳で申請する場合)や自費装具(申請しない場合)では必要のない書類です。
薬をもらうときの処方箋と似たように思われますが、「実際に装着した」という医師の確認を表す書類なので、装具が完成した後に発行されるのが基本です。
実際の書類様式はこちらから誰でもダウンロード可能です↓
どこでもらうのか?
この治療用装具証明書は、装具を作るときに診察を行った医療機関が発行する書類です。
ただし、装具を頻繁に作製するような病院でなければ、治療用装具証明書の様式を持っていない場合もあります。
そのため、実務上は製作所側が書式を用意して診察時に本人が持参し、病院で書いてもらうことも多いです。
どちらにしても、書類を最終的に作成するのは医療機関であるため、医師の診察なしで書類をもらうことはできません。
書き方のポイント

書式はあるけど、医療機関も装具作製に不慣れでどう書いてもらうのが正解かわからない…という場合に備えてどういった内容が記入されるのかを図の番号順に説明しておきます。
- 装具を装着する人(患者)の住所と名前、生年月日
装着する人の基本情報を記入する。健康保険に申請するため、住所は住民票通りの住所を記入しましょう。 - 病名と症状
装具が必要になる元になった病名と症状を記入する。症状の欄では装具が治療上必要であることが確認できる理由(症状)や装具を使う目的を記入すると良い。 - 装具の種類
選択式でその装具がオーダーメイドか既製品か、新規作製なのか修理なのかを選択する。
記入欄には装具の名称、既製品であれば商品名とメーカー名、修理の場合は修理箇所を記入する。装具の正式な名称や商品名、メーカー名などは担当の義肢装具士に確認しましょう。 - 診察日(装着前)
装着の必要を認めた日を記入する。装着を認めた当日に装具を装着した場合は、6、7と同じ日で良い。 - 誰が指示を受けたか
装着の指示を受けた義肢装具士名を記入し、オーダーメイドの場合「作製」を、既製品の場合は「購入」を、修理の場合は「修理」を選択する。ここも、義肢装具士名をフルネームで記入する必要があるので、担当義肢装具士への確認が必須。 - 装着確認日(装着後)
装具を装着を確認した日を記入する。装着を認めた当日に装具を装着した場合は、4と同じ日で良い。
※装具代金は後払い(装着後の支払い)が基本なので、領収書の日付はこの装着確認日よりも後の日付になる。 - 証明日
装着を確認して記入するので、6と同じ日になることが多い。 - 署名欄
医療機関に関する情報と、診察した医師の署名を記入。病院印でも良い。捺印不要。
よくある疑問点について
申請期限はある?
治療用装具証明書で健康保険に還付申請する際の期限は、装具装着から2年以内です。そのため、証明書の期限も2年間と考えれば良いでしょう。
細かい申請期日は健康保険の窓口によって誤差があるので、申請先に直接問い合わせるのが一番はっきりします。
証明書の発行料はかかる?
治療用装具証明書は原則として無償で発行されます。
ただし証明書の発行に伴う、診察料や採寸料は病院窓口で支払う必要があります。
根拠となる条例【保険医療機関及び保険医療養担当規則 第六条】
保険医療機関は、患者から保険給付を受けるために必要な保険医療機関又は保険医の証明書、意見書等の交付を求められたときは、無償で交付しなければならない。
厚生労働省HPから引用
各種助成制度への提出は?
健康保険の他に各自治体で決められた医療費助成制度(こども医療・重度障害医療・ひとり親家庭医療など)の対象となる人は、自治体窓口でも同様の申請を行うことで助成を受けることが出来ます。
その際、助成制度への申請は治療用装具証明書と領収書のコピーで行います。そのため、健康保険への申請の前に各書類のコピーを取っておく必要があります。
耐用年数内の作り替えの場合は?
耐用年数内に作り替えが必要になってしまった場合(例えば、予期せず病状が大きく変化してしまった場合や、体形の著しい変化が起こってしまった場合など)、その理由を証明書の「病名及び症状等」の欄に記入してもらう必要があります。
その際、作り替えについても医療費還付の対象になるかどうかは、申請先の健康保険が判断することになります。
詳しい判断基準を知りたい場合は、申請先の健康保険窓口に直接問い合わせるのが一番はっきりします。
もし不備があったら?
もし治療用装具証明書に不備があった場合、医療機関、申請者本人、装具製作所のいずれかに健康保険側から問い合わせや差し戻し依頼があるのが一般的です。
そこで、事実関係の確認と訂正箇所の指摘があれば、書類を訂正して再申請することになります。
基本的に申請書の間違いは申請者本人、治療用装具証明書の間違いは医療機関、領収書の間違いは装具製作所が差し戻しを行うことになります。
不備があったからと言って、すぐに不支給ということはほとんどないので、もし健康保険から問い合わせがあったときは焦らずに対応しましょう。
以上が治療用装具装着証明書に関する解説でした。
治療用装具証明書は、普段あまり聞き慣れない書類ですが、装具代の払い戻しを受けるうえでは欠かせない重要な書類です。
今回解説したポイントを押さえておけば、基本は大丈夫です。もし、わからないことがあれば、申請先の健康保険窓口や義肢装具士に早めに相談しながら、スムーズに手続きを進めていきましょう。
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