外反母趾に効果的!正しいインソールの選び方

インソールについて

こんにちは、生活期専門の補装具製作所「装具ラボSTEPs」代表 義肢装具士の三浦です。

外反母趾は、多くの人が抱えている足のトラブルです。

日本整形外科学会などの調査によると、成人女性の約3割、60歳以上の女性では実に4割以上が外反母趾の症状があるといわれています。

外反母趾は進行すると元に戻すのは難しく、気づいたら早めに進行予防をすることが大切です。

この記事では、外反母趾の進行予防に効果的なインソールの選び方について、わかりやすく解説します。

装具ラボSTEPsのオーダーメイドインソールについてはこちら↓

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外反母趾とは?

症状の原因

外反母趾は、足の親指が小指側に曲がって、親指の付け根の関節が内側に張り出してくる状態です。

【原因1】足のアーチの崩れ

足の裏には土踏まず(アーチ)があるのですが、これが崩れることで外反母趾が起こります。

外反母趾の場合、足の縦横のアーチが共に崩れてくることが原因なので、インソールで縦横のアーチをバランスよく支えることが大切です。

足のアーチに関する詳しい解説はこちらをご覧ください↓

【原因2】足に合わない靴やハイヒール

つま先が細い靴や、踵に高さのある靴を履くと、親指が小指側に押されて変形しやすいです。

「外反母趾はハイヒールを履いているとなる」とよく言われますが、実はそれだけではありません。

自分の足に対してつま先が細すぎる靴であったり、逆に靴が緩くて足が前に滑ってしまうような場合も外反母趾の原因となります。

外反母趾の進行を予防するには、靴選びもとても大切な要素です。

【原因3】遺伝や体質

外反母趾にはもともとの骨格や、靱帯の柔らかさも強く関係しています。

そのため家族に外反母趾の人がいると、自分も外反母趾になりやすいかもしれないので、注意が必要です。

【原因4】生活習慣や筋力低下

運動不足や加齢で足の筋肉が弱ると、足の骨を支える力が落ちて変形が進みやすくなります

また、立ちっぱなしや、体重増加も足にかかる負担を増やす原因となります。

外反母趾が気になる場合は、足指をグーパーする運動や足の指でタオルをたぐり寄せる運動など、足の指や足裏の筋肉を鍛える運動を続けると良いでしょう。

どこからが外反母趾?

上の図は外反母趾の進行度合いを示した図です。

外反母趾はいきなり重度になるのではなく、だんだんと変形が進んでいくのが特徴です。

そのため、軽度のうちからインソールで足のアーチを支えたり、ストレッチで足の筋肉を筋肉を鍛えることで、進行を抑えやすいです。

逆に、進行が進んでしまうと元に戻すのは難しく、手術が必要になる場合もあります。

外反母趾は「痛みが出てから」ではなく、ちょっと気になり始めたタイミングで対策するのが最も効果的です。

外反母趾とインソールの関係

なぜインソールが効果的なのか

外反母趾のもっとも根本的な原因は「足のアーチの崩れ」です。

インソールには崩れかけた足のアーチを下から支えて、本来の形に近づける役割があります。

アーチが安定すると、外反母趾の進行予防になり、体重が足全体にバランスよく分散されて、痛みの軽減にも繋がります。

インソールで期待できる効果

インソールで期待できる効果を以下にまとめました。

  1. 足のアーチをサポートする
    崩れかけた縦アーチと横アーチを下から支えて、足の形を整え外反母趾の進行を予防。
  2. 指の付け根の負担を減らす
    体重が足全体に分散されることで、外反母趾による痛みや炎症を和らげる。
  3. タコや魚の目の予防
    指や足裏の一部にかかる圧力が減るので、皮膚のトラブルも軽減しやすい。
  4. 歩きやすさアップ
    足のアーチ形状が整うことで、蹴りだしやすくなり歩行がスムーズになる。

インソールの選び方

インソールの選び方のポイントを以下に説明します。

【ポイント1】足のサイズと形に合っているか

アーチの場所や高さが足に合っていないと、せっかく着けていても十分な効果が得られません。

アーチが高すぎると、足裏の一部にだけ強い力がかかって痛みの原因となります。

インソールを着けて数日から1週間程度で慣れるような、筋肉痛のような痛みや違和感であれば問題ありません。

一方で、だんだんと痛みが強くなったり赤みが出るようなら、アーチが高すぎたり場所が合っていない可能性があります。

逆に、アーチが低すぎると、外反母趾の進行を予防する効果が十分得られません。

【ポイント2】インソールの硬さが十分か

形状と同じぐらい大切なのが、インソールの硬さです。

柔らかいインソールは足あたりは良いのですが、アーチをしっかりと支えることができないので、外反母趾に対する効果が十分に得られません。

市販のインソールでは、非常に柔らかくて着けていても効果がないものもあるので、要注意です。

一方、硬さがあるインソールは、足の骨格やアーチをしっかりとサポートすることが出来ます

外反母趾の進行予防を目的とするならば、ある程度の硬さがないと効果が得られません。

効果がある一方で、硬いインソールは慣れないうちは違和感を感じやすく、ちょっとしたズレや高さの違いで痛みを感じやすいです。

そのため、細かい調整が必要になることもあります。

【ポイント3】靴との相性

せっかく良いインソールでも、靴に合っていなかったら効果を発揮できません。

そのため、インソールを選ぶときは必ず一度自分の靴に入れて確かめてみることをおススメします。

インソールを入れる時は、もともと靴に入っている薄い中敷きを抜いて入れ替えます

そこで、もともとの中敷きに対してインソールが厚すぎると、足が窮屈になって余計に痛みが出てしまうことがあります。

また、靴に対してインソールが小さいと靴の中でインソールが動いてしまって、アーチの場所がズレてしまいます。

足先をカットできるようなインソールの場合は、もともとの中敷きに合わせて足先をカットして使うことをおススメします。

おすすめの既製品インソール

バネインソール(Ba2ne)

アーチ部分が一体型のプラスチックシェルになっていて硬さがあり、ヒールカップもしっかりしています。

前足部は薄くクッション性があるので、足の蹴りだしもスムーズに行えます。

ベーシック、ウォーキング、アスリートなどいろんな種類があるようです。

個人的に色やロゴデザインが可愛いので好きです。

シダスインソール(SIDAS)

こちらもアーチ部分がプラスチックシェルになっており、硬さがあってヒールカップもしっかりしています。

前足部は薄くクッション性があるので、足の蹴りだしもスムーズに行えます。

シダスのインソールは、やや控えめですが横アーチサポートもついています。

とても種類が豊富です。有名なメーカーなのでどこのスポーツ用品店にも置いてあると思います。

スーパーフィートインソール(Superfeet)

これもアーチ部分が一体型のプラスチックシェルになっていて硬さがあり、ヒールカップもしっかりしています。

前足部は薄くクッション性があるので、足の蹴りだしもスムーズに行えます。

スーパーフィートの特徴はローアーチ、ミディアムアーチ、ハイアーチと縦アーチの高さを選べることです。

ただ、自分がローなのかハイなのか見極めるのは結構難しいので、試着は必須です。

オーダーメイドインソール

オーダーメイドインソールは一人一人の足の形や症状に合わせて作る、特別な中敷きのことです。

既製品と違って、実際に足の型を取り、計測をして設計するのでアーチの高さや場所がぴったりと合うのが特徴です。

オーダーメイドインソールのメリット

オーダーメイドインソールならではの、メリットを以下にまとめました。

  1. フィット感が良い
    自分の足に合わせて作るから、高さや位置がフィット敷いて、靴の中でもズレにくく安定しやすい。
  2. アーチをしっかりサポート
    高さや位置がずれる心配がないので、硬い素材を使って適切にアーチを支えることが出来る。
  3. 痛みやタコの位置に対応
    同じ外反母趾でも、痛みやタコが出来る場所は人によって違うので、それぞれに配慮した調整ができる。
  4. 作製後の微調整が可能
    オーダーメイドインソールであれば、削ったりクッションを貼り足したりといった、形状の微調整が可能。靴に合わせた細かい調整も可能なので、作った後も安心できる。

オーダーメイドインソールのデメリット

デメリットは費用がかかることです。計測が必要な分、既製品に比べて高価になることは当然ですが、自費で購入しようとすると両足で4万程度かかる場合もあります。

整形外科に相談することで、医療保険を適応してインソールを作ることが可能な場合もあります。

また、計測から完成までにだいたい1週間程度かかるので、即日持ち帰ることは難しいです。

計測が必要なため、ネット通販のようにぽちっと購入できないことに、面倒さを感じるかもしれません。

ですが、オーダーメイドインソールにおいて計測はとても重要な工程なので、安心のプロセスと考えて計測してもらいましょう。

高価で計測による違いが出やすいからこそ、信頼できる専門家を選ぶことはとても大切です。

より具体的なオーダーインソールの価格や、製作の流れについては装具ラボSTEPsのページでもご紹介しています。

気になった人はぜひのぞいてみてくださいね。

こんなときは要注意!

インソールを使っていて「歩きやすくなった」と感じる人が多い一方で、足に合わないと感じる人もいます。

もし、次のような症状が出てきたら、そのまま我慢せずに確認してみることが大切です。

痛みが強くなった時

前の項目でも説明したように、インソールを使い始めて初期の、筋肉痛のような痛みや違和感であれば問題ありません。

一方で、だんだんと痛みが強くなったり赤みが出るようなら、インソールが足に合っていない可能性があります。

その場合は、オーダーメイドインソールであれば作った製作所に相談してみましょう。

既製品のインソールであれば、まずは靴との相性を確認してみましょう。

インソールと靴の相性を確認する方法

  • 靴とインソールの大きさが合っているか確認
    靴の中敷きを取り出してみて、インソールとの大きさを比べてみましょう。

    もしインソールが大きければ、インソールの足先部分を中敷きに合わせてカットする。

    もしインソールが小さければ、インソールが靴の中で動かないように靴の踵側に合わせて両面テープなどで固定する。
  • 靴がきつくなっていないか確認
    まずはもともとの靴の中敷きを抜いてから、インソールを入れているか確認しましょう。

    もとの中敷きが抜けない場合は、インソールを入れると靴がきつくなるので、なるべく中敷きが抜けるものを選んでください。

    一見、中敷きが抜けないように見えても糊付けされているだけで、つよく剥がせばとれるものもあるので、要確認です。

以上の二点を確認して、それでも痛みが改善しない場合は一旦使用を中止して、他のインソールを探した方が良いでしょう。

既製品インソールが足に合わないようであれば、オーダーメイドインソールも検討してみてください。

インソールが変形してきた

インソールは「一度買えば一生使えるもの」ではなく、消耗品です。

毎日立って歩くたびに、インソールは体重を受け止めて足を支えてくれています。

そのため、クッション材がつぶれてきたり、アーチ形状が変わってきたり、汗や湿気で経たりやすくなります。

装具の基準におけるインソールの対応年数は1年半と決められています。既製品のインソールでは、もっと短い場合もあります。

また、スポーツをする人や毎日長時間使う人は、もっと劣化が早い場合もあります。

インソール劣化のサイン

  • クッションが薄くなってきた
  • アーチの高さが低く感じるようになってきた
  • 歩いていてもサポート感を感じにくくなった
  • 表面が破れたり汚れてきた
  • インソール全体が最初より硬くなってきた

以上のようなサインがあれば「そろそろ交換の時期」と考えてください。

インソールが劣化すると、外反母趾の進行予防の効果が落ちてしまいます。

靴と同様に、定期的に交換や調整をしながら使用することをおススメします。


以上が外反母趾に効果的な、インソールの解説でした。

外反母趾は、多くの人が悩む身近な足のトラブルですが、軽度のうちから対策を始めることが進行予防のカギになります。

毎日の暮らしをすこしでも楽に、歩くことを続けられるように、今日からできることを一歩ずつ始めてみましょう。

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