こんにちは、生活期専門の補装具製作所「装具ラボSTEPs」代表 義肢装具士の三浦です。
脳卒中を発症することで、本人も家族も「これから何をしたらよいのか」「どうなってしまうのか」不安を抱えることがあるかと思います。
そんな時に、知識を得られたり、心を支えてくれたのが本だったという人は多いです。
この記事では、脳卒中に関する本を私が実際に読んで、レビューとおススメしたい人を正直に書いていきます。
本選びの参考にしていただけると幸いです。
病気に関する知識が得られる本
【脳卒中とその後遺症がよくわかる本】久保田有一著
脳卒中に関する基礎知識が体系的にすっきり一冊にまとめられている本。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血それぞれに関して、原因や予兆、治療法と予後の特徴などが書かれており、脳卒中とひとくくりにされた解説本よりも詳しく誤解なく知ることが出来ます。
少し難しい言葉や、踏み込んだ内容もありますが、興味がある部分や医師の説明でわからなかった部分の補足として、辞書的に使うのが良いかもしれません。
あいまいな表現や根拠のない情報がいっさいなく、正しい知識を無駄なく得たいと思う人におすすめです。
2020年に発刊されており、後遺症に関する最新の治療法の部分は、まさに最前線の治療法が紹介されており、読みごたえがあります。
当事者や家族だけではなく、医療・介護従事者にもおすすめの本です。
こんな人におすすめ!
- 脳卒中に関する体系だった知識を得たい人
- 後遺症に関する最新の治療法についても知りたい人
- 本気で知識をつけたい当事者、家族、介護従事者
再発防止のために読む本
【脳梗塞の再発を防ぐ 別冊NHKきょうの健康】岡田靖監修
とにかくイラストが大きくて見やすく、視覚的に情報が得られやすい本です。
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)は2人に1人が10年のうちに再発するという統計があり、非常に再発しやすい病気です。1度目は軽症でも、再発が起こることで障害が重度になってしまうこともあります。
再発を防ぐために重要なことは、薬による治療と生活習慣の改善、そしてリハビリを継続することです。
この本では、再発予防のための薬の知識と、生活習慣改善のためのヒント、ひとりでもできる日常のリハビリについてわかりやすく説明されています。
書かれていることが非常に具体的で現実的なことが多いので、当事者はもちろんご家族にもぜひ目を通していただきたい本です。
基本的だけど忘れがちなことがたくさん書かれているので、手元に置いて見返してもらうことで、再発予防の一助になるでしょう。
こんな人におすすめ!
- 軽度でも脳卒中を経験したことがある人とその家族
- これから再発予防にむけて頑張りたい人
- 専門的な本より、一般的にわかりやすい本を探している人
【脳卒中後のおいしいリハビリごはん】女子栄養大学出版部
脳卒中の再発を防ぐために、食事の塩分量を減らした方が良いということはよく言われることです。
でも、今までの食生活に慣れているとどのような食事をとればよいのか戸惑ってしまう方も多いです。
ただ塩分を減らした料理では物足りなく感じて、なかなか続かないといった悩みも多いでしょう。
そこで、この本では食事がおいしいと評判のリハビリ病院で、実際に提供しているレシピを紹介しています。
脳卒中経験者のレポートも掲載されており、自分も頑張ってみようとやる気がでる内容です。
当事者が片手で作る料理法についても書かれており、片麻痺で料理にチャレンジしたい人にもおすすめの本です。
こんな人におすすめ!
- 脳卒中発症の原因が食習慣にあったかもしれないと思っている人
- 脳卒中後、食習慣を改善して再発予防したい人
- 減塩したいけどメニューに悩んでいる人
- 片麻痺だけど自分でも料理をしたいと思っている人
当事者・家族目線で書かれた本
【この脳で生きる。脳損傷のスズキさん、今日も全滅】鈴木大介著
ライターとしてご活躍されている鈴木大介さんが脳梗塞を発症した8年後に、当事者としての高次脳機能障害の感じ方や病前との違いをつづった本。
文字を読むのが大変な人向けにマンガ多めでユーモアを交えて描かれているので、当事者も家族も読みやすい本です。
鈴木さんは医療的に高次脳機能障害は「軽度」と言われたものの、日常生活のあらゆるシーンで見えない障害を経験し、家族とともに苦しみを乗り越えてきました。
教科書や専門書ではわからない、当事者目線での日常の見え方がリアルに描かれており、私自身も今まで関わってきた脳卒中患者さんの「あの行動」「あの発言」がなぜ起こったのか、答え合わせができた気持ちになりました。
また、健常者でも「多かれ少なかれ、自分もこういうことあるかも…」と思えるような失敗談も多く、高次脳機能障害を身近な感覚に落とし込んで理解することが出来ました。
病気後の復職は日常生活以上に高いハードルがあります。鈴木さんがライターとして復職して困ったことや、対策として行っていること、家族に助けてもらっていることが書かれていて、受傷後の復職を考えている当事者や家族にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
なにより、マンガで描かれた鈴木さんが可愛くて面白くてつい笑ってしまう場面も多く、高次脳機能障害との関りに疲れた時の、息抜きとしてもおススメの本です。
こんな人におすすめ!
- 脳卒中後の生活が上手く行かずイライラしてしまう人
- 高次脳機能障害の頭の中を見てみたいと感じている人
- 病後の復職を目指している人
【マンガでわかる リアル「脳卒中」】上田惣子著
イラストレーターの上田惣子さんが周囲の方を取材し、当事者や家族から見た脳卒中のリアルをマンガで読みやすく描いた本。
上田さんのお父さんが59歳で脳梗塞を発症し、当事者家族として苦労した経験と、その後の生活で当事者と家族が突然の変化を受け入れられず、家の空気が荒れてしまった経験がもとになっています。
さらにこの本が「リアル」なのは、上田さんの知人でフリーライターの原田さんが、脳出血の当事者として取材対象となっていることです。
原田さんが脳出血を発症した瞬間の感覚、病院で考えていたこと、退院してから病気を受け入れ生活を立て直していった経緯が、とても軽快にユーモアたっぷりのマンガで描かれています。
原田さん自身は、脳出血としては軽症で発症年齢も若かったため、次第に回復して生活を取り戻していきます。
一方で、上田さんのお父さんは右上肢麻痺と言語障害が残ったものの、それを当事者も家族も受け入れて生活が安定していく様子が描かれており、これもまた「リアル」と納得できる内容です。
全体的に口調が明るく、軽いテンポで書かれているので「専門書はしんどいけど、最低限は病気について知っておきたい」という人に、とてもおすすめの本です。
こんな人におすすめ!
- 脳卒中後の生活が上手く行かない…と感じている当事者・家族
- 脳卒中に関する最低限の知識を持っておきたい人
- 文字多めではなくマンガで読みたい人
以上が私が脳卒中当事者・家族におススメしたい本です。
その他にも皆さんのおススメがあれば、コメントで教えていただけると幸いです。
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