装具を着けて安全に階段を上るための工夫

日常における装具の使い方について

こんにちは、生活期専門の補装具製作所「装具ラボSTEPs」代表 義肢装具士の三浦です。

階段は使わなくても何とか生活できると思いがちですが、意外と自宅に帰ってから段差の多さに気づいて慌ててしまう場合もあります。

この記事では、装具をつけて階段を登るときに押さえておきたい足の出し方や手すりの使い方、安全に階段を上るための工夫をわかりやすく紹介します。

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装具を着けて階段を上り下りする不安を深掘り

段差でつまづく不安感

装具を着けて階段を上るときに、多くの人がまず感じるのは「段差でつまづいてしまう」不安感です。

麻痺した足は、足首を持ち上げるのが難しく、だらんと下がったような感覚が常につきまといます。

装具を着けると足首が上に挙がる(足首を直角に保ってくれる)ので、しっかりと膝を上げればつまづくことはありません。

それでも実際につまづいたことがある、つまづきそうになった経験があるとしたら、装具を着けても足先が下がってしまっているのかもしれません。

階段を上がる動作でつまづく不安がある場合は、なるべく足先までしっかりと持ち上げてくれる装具を選ぶ方が良いでしょう。

麻痺した足が前に出ない不安感

麻痺した足が前に出ないという不安は階段の上り下り、どちらでも感じる不安感です。

麻痺した足が前に出にくいのは、平たんな道を歩いていても感じやすいことですが、階段では特にその不安感が強くなります。

また、長い階段では途中でいったん止まって休憩ということが難しく、階段を上り下りしきれるかどうかという不安感もあります。

自分がどれぐらいの長さの階段なら余裕をもって上り下りできるか、手すりの有無や踊り場の有無を把握してから階段にチャレンジするのが良いでしょう。

また、次の項目で説明する「どちらの足から先に出すのか」と「左右どちらに手すりがあれば安心か」を頭に入れておくのも大切です。

足を踏み外してしまう不安感

足を踏み外す不安感は主に、階段を下りるときに感じます。

装具を履いていることで、足が床についた感覚が伝わりにくく、ちゃんと足が階段に載っているのか、端に足をついてしまっていないかが分かりにくいです。

また、障害によっては麻痺側の視界が悪く、階段の幅がしっかりと認識できない場合もあります。

また、しっかり階段に足を着けていても、装具の滑り止めがすり減っていたりすると、踵が滑って踏み外してしまうこともあります。

装具の滑り止めが消耗していないか定期的に確認し、滑り止めを踵の広範囲に貼ったり、滑りにくい素材を貼ることも対策の一つです。

どちらの足から出すのが安全?

階段を上るとき

階段を上るときは、力が入りやすい方の足(健側)から足を出します。

その方が、良い方の足でしっかりと身体を支えて、麻痺した足を持ち上げることが出来ます。

装具を着けている方の足は、力が入りにくく動きも制限されるので、後から健側の足にそろえるように階段に乗せる方が安全です。

階段を下りるとき

階段を下りるときは上りの逆で、装具を着けた足(麻痺側)から足を出します。

健側を残して体重を支えながら、麻痺した足を先に下ろすことで安定して階段を下りることが出来ます。

どちらの場合も、健側の力が入る足を階の上に置くことを覚えておきましょう。

手すりの正しい使い方について

手すりが片方しか使えない場合は?

階段の手すりは、装具を着けていない(健側)の手で持った方が安全です。

杖と同じで力が入る方に体重をかけた方が安定するからです。

階段の幅が広く片方の手すりしか使えないような場合は迷わず、健側の手で手すりを持てる場所を選びましょう。

どうしても麻痺側に手すりがある階段を上り下りしないといけない場合、手すりの方を向いて(階段に対して横向きになって)下りる方法もあります。

自宅に不安な階段がある場合は、介助者や療法士さんと一緒に上り下りを練習しておきましょう。

手すりを持つ場所は?

階段を上り下りするとき、手すりは自分の腰よりも少し前を持つように心がけましょう。

手すりを持っている位置が身体よりも後ろになると、後ろにバランスを崩しやすくなるので要注意です。

あまり手すりをぎゅっと握りすぎると肩や腕に力が入りすぎて動きにくくなるので、理想は手すりを軽く支えにしてスムーズに階段を上り下りすることです。

ただし、階段も手すりも形状は様々なので慣れない階段は特に注意が必要です。

不安を感じた時は無理せず介助者を頼ったり、エレベーターを探すようにしましょう。

以上が一般的に安全と言われる上り下りの方法ですが、実際にどの方法が一番安心かは、人それぞれの身体の状態や生活環境によって変わります。

介助者や療法士さんがそばにいるときに、いろいろな方法を試して自分に合った方法を見つけ出すことも大切です。

家の階段でできる安全対策

手すりを階段の両側につける

家の階段の片側にしか手すりがない場合には、両側に手すりをつけておくことをおススメします。

壁に取り付けられるものも、床に取り付けるものもあります。

多くの場合こういった手すりなどの住宅改修費用は介護保険の対象になるので、確認してみてください。

階段に滑り止めをつける

階段の上り下りが不安な場合、階段のエッジに滑り止めをつけておくことで滑りにくくなります。

残りの段数が色で視覚的にわかりやすい、色分け可能なライン付きの滑り止めや、夜など暗い時も安心の蓄光素材の滑り止めもあります。

階段上り下り用の杖を使う

手すりがつけられなかったり、段差が大きくて上りにくい場合は階段上り下りに特化した杖を使用するのも一つの方法です。

階段アシスト杖は4点杖の足の長さを前後で変えられることで、自宅の階段に合わせた高さに調整することが出来ます。

グリップ位置を変えることで、上り下り両方で使うことが出来ます。

足を置けるプラットフォーム付きの4点杖を使うことで、足を上げる高さを補助できます。

ただし、これらの杖は使い慣れていないと逆に危険!ということもあるので、練習しながら使えそうなら使うようにしましょう。


以上が装具を着けて階段を上り下りする工夫でした。

階段の上り下りは自宅の環境によっては毎日必要になる動作です。

屋外に出た際は、思いがけず階段を上り下りしないといけない場面に出くわす場合もあります。

安全に階段を上り下りするために、自分に合った動作を身に着け、出来る限り環境を工夫しておきましょう。


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