装具難民問題について

装具難民

こんにちは、生活期専門の補装具製作所「装具ラボSTEPs」代表 義肢装具士の三浦です。

今回は脳卒中後遺症を持つ方々を中心に、退院後の生活で大きな問題となっている「装具難民問題」について説明します。

もしかしてあなたも装具難民??

脳卒中患者さんの多くは発症後、病院に入院してリハビリを受け、そのリハビリ過程で治療用の装具を処方されます

もし障害が残った場合は、退院後も引き続き装具を使用することとなります。

しかし、病院で処方された治療用の装具が、生活用の装具としても適しているのかどうか、引き続きフォローされることがありません

そのため、装具に関して何らかのトラブルや不満を抱えたまま生活を送っていたり、万一装具になにか問題が起きた時にどうしていいかわからない「装具難民」状態の方がたくさんいます。

「もしかして自分は装具難民かも!?」と思った方はこちらの記事でご確認ください↓

では、以下に装具難民の危険性を、状態別に詳しくご説明します。

装具が必要なのに使っていない

病院で処方された装具が「生活環境に合っていない」「身体状況に合っていない」と感じる場合、ご自身の判断で装具の使用を中断してしまうことがあります。

装具の使用を中断することによって起こりうるリスクとしては

  • 関節の変形が進んでしまう
  • 筋肉のこわばりが強くなる
  • 転倒のリスクが増える
  • 介護負担が増える

などが考えられます。

今の装具が合わないのなら、いきなり装具の使用を中断してしまうのではなく、より生活に合った形に装具を変更することを考えましょう

装具が身体にあっていない

退院後、生活環境の変化とともにご自身の身体状況も変化します

ほとんどの場合、麻痺した足は筋肉量が減って細くなります。一方で、座った姿勢が増えることによる「むくみ」が原因で足が太くなることもあります

これによって起こりうるリスクとしては

  • 装具が緩いことで歩きにくくなる
  • 装具を着けていても変形が進んでしまう
  • 装具が当たって痛みが出たり、ができる

などが考えられます。

装具は身体の変化とともに調整したり、作り直したりする必要があります。

特に、退院直後は生活環境、身体状況ともに変化します

装具が今の自分の身体状況に合っているのか、定期的に確認しておきましょう。

装具が壊れている

さすがに壊れているってことはないだろう、と思うかもしれませんが意外と壊れたまま気づかずに使ってしまっていることもあります。

以下のような状態が破損した状態といえます。

  • ベルトがくっつかない(すぐ外れてしまう)
  • すべり止めが剥がれている
  • 継手部品が機能していない
  • プラスチックにひび割れがある

これらの状態は見た目や使用感が悪いだけならまだ良いのですが、壊れた装具を着けることで転倒リスクが増えたり、変形が進んだり、怪我の原因になるなどの悪影響が考えられます

継手部品の故障やプラスチックのヒビなどはご自身で気づかないことも多いので、定期的に確認してもらうことが大切です。

装具の耐用年数が大きくすぎている

装具には耐用年数が設定されています。

耐用年数とは、通常の使用状態で使用した場合に作り替えが必要になるまでの予想年数です。

耐用年数が過ぎたからと言ってすぐに作り替えが必要なわけではありませんが、破損や不具合のリスクが増えている状態といえます。

使用している装具の耐用年数が過ぎたら、一度メンテナンスを依頼することをおススメします。

装具によって耐用年数は異なります。耐用年数の一例は以下の通りです。

以上が「装具難民問題」の説明でした。

「自分や周囲の人も装具難民かも…、でもどうすればいいの!?」と思った方は、まず自分が使っている装具について情報を得るために、このブログを活用していただきたいです。

自分が今、どういった分類の装具を使っているのか、装具を使う目的は何なのか、どんな制度を使っているのか、はっきりわからないという方がほとんどではないでしょうか。

自分が使っている装具の分類を調べたい方はこちら↓

制度について知りたい方はこちら↓

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

装具の修理・作製のご相談は装具ラボSTEPsホームページ内の問い合わせフォームよりお待ちしております。

生活期専門補装具製作所「装具ラボSTEPs」は神戸を拠点に活動していますが、今後は全国各地に拠点を作って装具難民をゼロにすることを目指しています。

気になった方は、装具ラボSTEPsで検索してみてくださいね。



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