装具のトラブル、原因は??

下肢装具
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こんにちは、生活期専門の補装具製作所「装具ラボSTEPs」代表 義肢装具士の三浦です。

今回は、生活期の装具でよく見かけるトラブルについて、原因と対策を考えていきます。

短下肢装具を長く着けている人、こんな経験ありませんか?

  • 外くるぶしが痛い!タコができた!
  • 足の親指が内側にはみ出てしまう
  • ふくらはぎの外側にだけ隙間ができる!
  • 足裏の小指側が痛い!タコができた!
介護士Wさん
介護士Wさん

これらのトラブルよく見かけます!

靴下を履いている時は気づかないけど、脱いでみるとタコができていたり傷になったりしていて驚いた覚えがあります。

そうですね、よく見かけるトラブルですが、どれか一つだけが起こるのではなく、すべて同時に起こることが多いのです。

これらのトラブルに共通する原因は足の「内反」です。

脳卒中後の足は筋肉の緊張が高くなると、このような内反変形をおこすことが多いです。

この内反をなるべく抑えるには、ストレッチや歩行訓練、ボトックス注射などいろんな方法の対策がありますが、ここでは装具の話に限定してご説明します。

「内反」に対する装具の役割

介護士Wさん
介護士Wさん

内反が出ないように毎日頑張って装具を着けているのに、内反が強くなってしまうのは装具のつけ方が悪いのでしょうか。

同じように装具を着けていても障害の状態によって筋肉の緊張が強く出て、だんだんと内反が強くなる場合と、そうでもない場合があります。

なので、一概に装具のつけ方が悪いとは言い切れませんが、装具のつけ方や装具の仕様を再度確認してみる必要はありますね。

「内反をできるだけ抑えて、歩行を安定させること」

「内反変形(関節が硬くなって内反したまま変形してしまうこと)を起こさないこと」

これらが装具の役割なので、それがうまく機能していないのかもしれません。

では、ここからは装具を着けているのに内反が強く出てしまう原因を、考えてみましょう。

【原因1】装具が緩い

装具が緩いというのは、装具と足の間に指が入るほどの隙間が空いている状態です。

麻痺した足はどうしても時間の経過とともに、細くなってしまうことが多いので、装具が緩い状態になりやすいです。

そうすると、装具の中で足が内に傾いたり、親指が内側に移動して内反をゆるしてしまいます

介護士Wさん
介護士Wさん

緩い装具では、装具の中で足が遊んでしまうんですね💦

【原因2】装具のベルトがうまく機能していない

装具がぴったりと合っていたとしても、装具のベルトがしっかりとしめられていないと、足首が前に出てしまいます。

その結果、足首の動きに遊びが出て内反が起こってしまいます。

特に足首付近のベルトはしっかりとしめないと、内反の原因になります。

介護士Wさん
介護士Wさん

同じ装具でも着け方やベルトの締め方によって、内反を予防できない場合があるんですね💦

【原因3】装具の形状が合っていない

これは少し判断が難しいですが、装具に緩みがなくベルトもしっかり締めているのに、くるぶしや足の裏にタコができる場合、装具の形状が合わなくなっている可能性があります

本来、装具で内反を抑える場合、クッション性の高いベルト部分で抑え込んだり、装具全体で包み込んで抑えるはずです。

それが、骨の硬い一部分だけに強い圧力がかかっていたり、骨の突起部がプラスチックに直接触れていると、タコや褥瘡の原因になります

介護士Wさん
介護士Wさん

足の変形や緊張の度合いに応じて、装具の形状も調整していく必要があるんですね。

装具で内反を抑える工夫とは

介護士Wさん
介護士Wさん

装具で内反を抑えて、くるぶしや足の裏にトラブルが起きないためには、どのような工夫をしているのでしょうか?

まずはぴったりと足に合った緩みのない装具をつかうこと。

そして、ベルト(特に足首付近)をしっかりとしめること。

これらを徹底したうえで、他にできる工夫を紹介しますね。

補高(ほこう・ほだか)

内反を抑えるには足首をしっかり直角に保つことが大事なのですが、足首が硬くて直角までいかない場合は装具の中に補高(厚みのあるインソール)を入れることをおススメします

装具の中で踵が浮いた状態では、足の裏の前の方にばかり圧力がかかってしまいます。

まずは足の裏全体で体重を支えられる環境を、装具の中で作ってあげることが大事です。

Y字ストラップ

Y字形状のストラップを足の形状に沿わせて作ることで、外くるぶし付近を広い面積でしっかりと抑え込むことが出来ます

プラスチックが直接くるぶしに触れる心配もありません。

側壁(そくへき)の延長

ちょっと聞きなれない言葉ですが、足部の内外を覆うプラスチックの壁を「側壁そくへきと呼ぶことがあります。

この側壁は靴を履くときに邪魔なるので、必要なければできるだけ短く削ってしまうのが一般的です。

ですが、足が内反して親指が内側にはみ出してしまうような場合は、あえて側壁を残して指がはみ出ることを防ぎます


以上が内反による装具のトラブルに関する解説でした。

足の状態によっては内反を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが「内反によっておこるトラブル」は装具の工夫で解消することが出来ます。

内反に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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